かずみ先生のつぶやき

最近のかずみ先生の動向、生活について

とある病院の一麻酔科医に起こった出来事 番外編⑭

外来はあまりにも忙しくなり、時間内で患者様を見切れないほどになっていた。どんどん来てくれる。そして以前やっていたクリニックからの患者様もまだ長年来てくれる。それが美和子の救いであった。そして施設から来ている認知症のあるおじいさんでも私を覚えていてくれるのである。その方にも辞める事を話した。そのお爺さんは他の科にも通っていて、他の科の先生に私がいなくなる事をお話したみたいで、他の科の先生が居なくなったら困ると言ってましたよという一言をいただいた。本当にありがたい。患者様との信頼関係を結ぶことが病院の収益にも繋がるし、他の患者様を呼んでくれる。そうすれば善の連鎖が起こるのに。どうしてそれがわからないのだろうか?と美和子はそう思っていた。お客様は神様です。ではないけれど、他の科の医師も多分昭和的な考えなのだろうか?お医者様と一つ上の目線から見ているのか?同じ人間なのに。お互いがハッピーになれればそれでいいのに。と美和子は思った。全員が全員そんな医師ではない。中にはとても人間味のある医師もいる。そして美和子は以前の患者様から本当に現在、辛い状況を助けていただいている。外来では正直、お話するのが楽しい。彼女自身の話も聞いてくださるし。他のクリニックでも以前の患者様を診察しているのであるが、ずっとずっと昔に数回診察しただけの患者様がわざわざ来てくださったりしている。これは本当にありがたい事だと実感している。商売だけでなく、人の役に立つ事。これが生き甲斐なんだなと。そんな意味で彼女は恵まれていると本当にそう思った。そして美和子は次の病院に旅立つのである。