かずみ先生のつぶやき

最近のかずみ先生の動向、生活について

とある病院の一麻酔科医に起こった出来事 番外編⑨

そして美和子はどうしたら良いか?

葛藤する日々が続いた。危ない手術は避けれたものの、常勤なのにこれで良いのだろうか?と。とにかく、この病院の手術のシステムが悪い。そこを改革しないと全てがうまくいかない。麻酔科に普通は手術の伝票が来て、これはできるとかできないとか判断する権利があるはずなのだが。ここは全くない。院長命令。しかし院長はほとんど手術室に来ない。そして勝手に手術をやる事を許可されている。危なくても麻酔をかけなければいけない。それはおかしいと医局会でも言ったのであるが。別に、1週間延期したからってどうにかなるものでもないのに。それを理解してもらえなかった。だったらいつやるんだと言われた。そんなのわかるわけがない。人間なんだから。全部の科がそんな医師だけというわけではない。ちゃんと、こんな人いますけど、大丈夫ですか?と聞いてくれる医師もいる。しかし、非常勤の叩かれた医師のいる科は全くそんな事お構いなし。だから、美和子が離れたので、病院的にもちょうど良かったのではないのか?と。しかし、危険な手術はやめない。何万例も手術を見てきたが、こんなに術野が汚い手術は見た事がない。美和子は他の病院の手術と比べていかにおかしいか?実感できた。モニター越しに手術の様子を見れるのであるが、段々と気持ち悪くなってきた。手術の場面を見慣れているのに。もう、手術ではないという感じだ。何でこんなに気持ち悪いのであるか?それは多分、見たらわかるであろう。しかし、スタッフの誰一人として文句を言わない。おかしいということも。おかしいのになぜやるのか?訳がわからなかった。少なくとも一人まともな臨床工学士の若い男性だけは関わりたくないと言って辞めていった。それがまともな考えだと美和子はそう思った。